チャンネル登録者数100万人越えの人気YouTuberゆきりぬさん。コスメや洋服などのファッション・美容を中心に幅広いジャンルで活躍しています。2022年には自身初のアパレルブランド「cyun%」もローンチ。そんなゆきりぬさんだが、実は動画配信を始めた当初は、いまのような見た目でもなければ、動画の内容もゲーム実況がメインだったのだとか。イメージチェンジを重ねながら「好きな自分」を見つけてきたというゆきりぬさんに、自分らしい「かわいい」の見つけ方を教えてもらいました。
ーそもそもYouTuberになったきっかけは何だったのでしょうか。
高校生時代、『新世紀エヴァンゲリオン』の影響でロボット作りに憧れて、人工知能などの研究をしようと理工学部に入学しました。でも、いざ入学してみると人工知能の研究なんてできなくて、別の道を考えて企業でインターンをさせてもらったんです。その中のひとつがゲーム会社で、一気にゲームにハマりました。
同時期に、ヒカキンさんのゲーム実況の動画を見て、「こんな風にゲーム実況をやる人がいるんだ!私もやってみたい」と思いました。あまりたくさんゲーム友達がいたわけでもなかったので、動画を通してコメント欄などでゲーム好きなコミュニティなどと繋がれるのも羨ましいなと思ったんです。それで、ゲーム実況者として活動し始めたのがきっかけです。
ーゲーム実況からスタートしたとのことですが、現在はファッションや美容系の発信をたくさんされています。どんな背景があるのでしょうか。
YouTuberとして活動している間にだんだん他のYouTuberやインフルエンサーの女の子たちと会うことが増えてきました。やっぱりそういう仕事をしている女の子たちはすごくキラキラしてて、「いいな」「かわいいな」って密かに思っていました。
もともと、ファッションやコスメに興味はあったんです。でも、中学生の頃にミスセブンティーンのオーディションを受けて、最終選考で落ちてしまった経験もあって、きっと向いてないんだろうなと思い込んでいました。しかも、受験生時代には勉強に100%の力を注いでいたので、しばらくオシャレから遠ざかっていたんですよね。
そんな時にYouTuberの友達に「みんなキラキラしてていいよね」と言ったら、「え?あんたもやればいいじゃん!」って背中を押してくれたんです。そこから殻に閉じこもらず、やってみようと思って、ファッションや美容系の発信にも挑戦し始めました。
ーゆきりぬさんといえば、初期の黒髪ショートからピンクのロングヘアーなど、大胆な髪型のイメージチェンジも印象的ですよね。
髪色や髪型のイメチェンもずっとやってみたいなと思っていました。視聴者さんや周りの人から「やりたいと思ってるんだったらやった方がいいよ」って言われることが増えてきてハイトーンヘアにも挑戦するようになりました。最初はずっと黒髪のショートヘアだったので、今までのイメージと違うのって大丈夫かなと心配していました。でも、人生一回しかないし、やっちゃえと思い切ってしてみたんですよね。
ー実際に、髪色を変えてみたらどんな反応がありましたか。
両極端な反応がありました。一方では「かわいい」とか「ピンクいいね」とか好評でした。もう一方では、「その歳でハイトーンなの?」とか「イタい」といった声も見受けられました。やっぱり髪が明るいと、“清楚じゃない”みたいなイメージもあるみたいで、自分としては意外な発見でした。
髪色が変わったからといって、別に私自身は何も変わらないんですけどね。もちろん好きな髪色にすることで多少気持ちが明るくなったりはします。でも、急に話す内容が変わったり性格が変わるわけじゃない。本質は変わらないのに、見た目やファッションで人が判断されてしまう面はあるんだなと実感しましたね。
ー髪以外に服装も「垢抜けファッション」からイメチェンされてきていますよね。どんな理由があるのでしょうか。
オシャレを勉強し始めた最初の頃は、「変わりたい!」という気持ちはあったものの、どうやって変わればいいのかわかりませんでした。それで結局、他人から「かわいくなった」「垢抜けた」と言われることを正解のように考えてしまったんです。自分軸で「かわいい」を追い求めるんじゃなくて、「変わったね」って周りに認められたかったのかもしれません。それで、最初のうちはマス受けするような可愛らしいファッションを目指していました。
でも、YouTuberとしてファッション系の発信を続けていくうちに、コメント欄にいろんな意見が寄せられるようになって。褒めてくれるものもあれば、「ここが嫌だ」「ここはダサい」とかネガティブなものもある。だんだん、人の意見に振り回されるのってどうなんだろうと思うようになりました。視聴者さんからの意見はもちろん大事ですが、本当に自分がやりたかったことをもう一回見つめ直そうと思ったんです。
ー自分が本当に好きな「かわいい」はどうやって見つけ出したのですか。
将来お洋服のブランドをいつか持ちたいなと漠然と考えていて、モデルの益若つばささんに相談させてもらったことがあって。その時に「お洋服を作りたいなら、いろんなお洋服を知らなきゃ」と言われたことがきっかけで、とにかくいろんな系統の服を着るようになりました。たくさん試しているうちに、自分が本当に好きなものを見つけ出すことができました。
昔は170cmある自分の身長はコンプレックスだったけど、それを活かすようなファッションもできるようになりました。一般的に言われる「かわいい」だけじゃなくて、かっこよさもあるようなかわいさが今の私は好きなスタイルです。
ーYouTubeではcyun活というキーワードも使われていますよね。cyun活とは何なのでしょうか。
ひと言で言うと、自分の胸がきゅんとときめいたもの・ことに従うってことです。例えば、「私もう30歳だから」とミニスカートを履くのを諦めちゃう人ってきっと少なくないですよね。でも、そこで少しでもきゅんとしたなら履けばいいと思うんですよね。履くのが難しかったら持っているだけでもいいと思うんですけど、胸がときめくものに囲まれていた方がやっぱり幸せな気持ちになりませんか。
髪の毛のことも、ファッションもそうですが、「イタい」とか「その歳して恥ずかしい」とか周りの意見に流されすぎずに、1回しかない人生なので、自分がしたいようにすればいいなと思っています。
ー今のゆきりぬさんにとって、ファッションや美容はどんな存在ですか。
毎日摂取したい、ビタミンみたいなものです。元気がない時や疲れている時でも、メイクをし始めるとすごく楽しくなってくるんです。さっきまで家から出たくないなと思っていたのに、メイクをしたら生き生きとし始める自分がいて。そういう意味で、自分がご機嫌でいるための本当に必需品ですね。
ーマトメージュの2022年のブランドメッセージ「かわいいを、解放せよ。」には、どのような印象を受けましたか?
すごく素敵だなと思いました。マトメージュはYouTuberになってから使い始めて、今でも使い続けているので、こんなメッセージを出してくださって嬉しいです。
みんな、心の中では自分なりの「かわいい」を持っていると思うんです。でも、それをなかなか外に解放していない人が多いんじゃないかなって。部屋の中でひっそりと好きな「かわいい」を集めるのもいいけれど、もっと自分でその「かわいい」を身につけてみたら世界が変わるんじゃないかなと思います。内なる「かわいい」を解放してくれる人が増えたらいいなって思います。
ー最後に、読者の皆さんに一言お願いします。
他人にどう思われるかよりも、自分が自分を好きでいられるかが大事だと思います。きゅんとくるアクセサリーを見つけたら、「自分に似合うかな?」と少し自信がなくても、まず買ってみてください。最初は眺めているだけでもいいんです。自分の好きな「かわいい」は、自分にとってのお守りになってくれるはずです。そして、自分の人生、いつでも自分が主人公でいられるようにしようね。自分らしく生きなきゃ、自分が1番楽しまなきゃ損ですよ!