RachelとMamikoの友達2人組で結成されたラップユニット「chelmico」。2014年に活動を開始し、2018年にメジャーデビューを果たしました。
今回お話を聞いたのは、chelmicoメンバーのRachelさん。私生活では2021年に結婚・出産を経験。今では全国各地の音楽フェスや、CMなどでも引っ張りだこのRachelさんですが、過去にはアルバイト漬けの日々も……。現在の活動に至るまでどんな「変化」をたどってきたのか、教えてもらいました。
ー今年のマトメージュのブランドメッセージは「変わることを、恐れない。」なのですが、Rachelさんはこのメッセージを見てどう感じましたか。
本当にその通りだと思います。でも、変化が「恐い」ベースなのが面白いですね。恐いと言っても、シワは増えていくし、体だって硬くなっていくし、なんか体調悪くなっていくし、仕事だって毎日変わっていくし……。歳を重ねるうちに勝手に変わっていっちゃうんですよね。だから、変化は恐れない方が良いと思います。
ーそんなRachelさんがこれまでで、特に大きな変化だったなと思う経験はどんなものですか。
やっぱり1番はラップを始めた時かな。2014年頃のことです。
当時、高校生RAP選手権という企画があったり、『TOKYO TRIBE』という映画が公開されたりして、ラップブームが来ていたんですよね。高校生の時はロックが大好きだったんですけど、バンドは人数がいないとできないし、楽器も必要だけど、ラップはそうじゃないからできるかなって。あと、もともとRIP SLYMEがすごく好きだったので、よく真似してたから、ラップにいったのかな。
ーchelmicoの結成と同時に、ラップを始めたんですよね。
そうです。私が特にそうなのですが、期限や場所が決まっていないと動けないんですよね。だから、ラップももともとやろうと思っていたのではなくて、先に出演するステージが決まっていて、何かパフォーマンスしなきゃいけなくて始めたものでした。chelmicoメンバーのまみことはもともと友達で、2人ともRIP SLYMEが大好きだったので、一緒にできるかなと思って。
なので、最初は1回限りの趣味でこんなに続くとは思ってなかったんです。日雇い感覚で、ちょっとお小遣いもらえたらいいなって思っていました(笑)。
ー2018年にはメジャーデビューをされて、生活や仕事への向き合い方は変化しましたか。
ちゃんとchelmicoを仕事にするっていう感じになってきたのが、2018年くらいだったなと思います。何よりも、バイトしなくて良くなった。それまでは、古着屋さん2つとハンバーガー屋さんの3つ掛け持ちで、バイトばかりしていました。
あとは、インディーズの頃よりも関わってくれる人が増えたので、より「ちゃんとしなきゃ」という気持ちになりましたね。
ーその後、2021年には結婚・出産もされました。お仕事にも影響はありましたか。
暮らしが変わったので、働き方は変わりましたね。17時までに仕事が終わったらありがたいなって思うし、前よりは働き方の相談をするようになりました。あと、どうしても子育ては疲れるところがあるので、一層、頑張るぞという気持ちです。
でも、仕事と生活がはっきり分かれて、仕事は前よりもやりがいを感じたり、めっちゃ楽しいって感じたりするようになりました。
それに、子育てを始めてから、仕事でのハプニングにも以前より柔軟に対応できるようになったと思います。子どもは親の思い通りには動いてくれないので、臨機応変に対応する力がついたと思います。
ーお子さんの存在は曲作りへの影響もありましたか。
曲作りへの影響は、最初はないなって思っていました。でも、子どもを産んでからだんだんと、「良い社会になったらいいな」と思うことが増えました。前までは「恋♡」「夏!」みたいな感じで曲を作っていたのに(笑)、それ以外のトピックで自分が問題に感じていることを曲にする場面がちょっとだけ増えたかな。
ー色々な変化を経験してきた中で、Rachelさんご自身の個性はどんな風に変化してきたと思いますか。
環境が変わることはあったけれど、私自身は基本的に「根明(ネアカ)」です。明るい性格だと思います!
ーいつも明るくいられるのって実はすごいことですよね…。何か大きな困難にぶつかったり、失敗をして落ち込んだりすることはなかったのでしょうか。
色々事情があって、大学を辞めなきゃいけなくなった時は困ったかな。当時はお金がなくて、住む家もなくなってしまったんです。毎日300円くらいしかなくて、お金ないな〜と思っていました。とはいえ、その時はその時で楽しくやってたから、困ってないのかも。学校には通いたかったですけどね。
あと、今でもしょっちゅう落ち込んだり、不安になったりすることはありますよ。
ーそれはどんな場面で、落ち込んだりするのでしょうか。
仕事がないときは落ち込みますね(笑)。この先、大丈夫かなって不安になります。
ライブや喋るお仕事で何か余計なことを言っちゃった時にも落ち込みます。ライブのMCで喋りすぎて時間が1分押しちゃった時にはめっちゃ凹んだし、フェスのイベント名を間違って連呼してしまった時にも凹みました。
ーそんな時にはどうやって不安や落ち込みと向き合っていますか。
一回落ち込んだり失敗したりしたとしても、なるようにしかならないので、前を向くのみって思っています。私の経験でしかないけれど、家がなくなっても結果としてここまで生きてこれているので、流れに身を任せていればなんとかなるだろうと、ちょっと楽観的に捉えているところはありますね。
仕事に関しては、まみこと励まし合えるのも大きいかもしれないです。お互いに 「大丈夫だよ。私だって歌詞間違ってるし」とか言って励まし合っています。
ー様々な変化を経験されてきたRachelさんにとって、「変化」とは、どんな存在ですか。
変化はすごくいいことだと思います。例えば、私も老いることに対してビビっている時もありましたが、結局みんないつかは変わるんですよね。むしろ周りもどんどん変わっていくのに、自分だけが変わらなかったら恐いじゃないですか。もちろん、自分が変わらないで周りに合わせてもらうっていうスタイルもあると思うんですけどね(笑)。でも、ずっと一緒じゃつまらないし、変わった方が面白いじゃんと思います。
ー今後、Rachelさんが新たに挑戦したいことや変化したいなと思っていることはありますか。
フィジカルでは、体を柔らかくしたい!メンタル的には、1人で知らない場所とか知らないお店に行ってみるのが今年のテーマです。友達と一緒だと気軽に入れるのですが、1人だとスルーしがちなので。もうちょっとフットワーク軽く、チャレンジ精神を強く持てるようになりたいなと思っています。
ー最後に、変わることが恐い、不安だと思っている人に向けて、メッセージをお願いします。
大丈夫だよ〜。いのちを大事に。いのちがあれば、OK!これで!!