TikTokで既存の「かわいい」にとらわれない動画を多数投稿しているPrincess Ameria(りん)さん(以下、りんさん)。アンチコメントにも平然と言い返す自信あふれる姿が女性たちに支持され、現在TikTokの登録者数は13万人を超えるほどに。現在注目のインフルエンサーのひとりである彼女も、いじめや不登校の経験から自分に自信がなかった時期があったそう。「昔の私のような人に向けて発信してる」と語る彼女のポジティブマインドの源を伺いました。
——りんさんは、TikTokなどで見せる自信あふれる姿が印象的です。今のようなマインドを持てるようになったきっかけは?
昔は自分に自信がなく、コンプレックスだらけでした。容姿のことで学校でいじめられ、不登校になったこともあって、部屋でひとり「生きてるってなんだろう?」とずっと考えている時期もありましたね。
でも、学校を休んでいる間に海外の人とネットで毎日5時間近く英語で話すようになって。そこから徐々に世界が変わっていきました。この世界には、いろんな価値観があると知ることができたんです。
——英会話をはじめたのはなぜですか?
元々、マイケル・ジャクソンやウォルト・ディズニーが大好きで、海外のカルチャーに憧れがあって。ネットの英会話なら部屋から出なくてもできるし、学校に行かない代わりに何かやってみようという思いがありました。そこで出会った人とは今でも交流があります。
英語を話せるようになると、「これまで私がいた場所は、すごく限られた場所だったのかも」と気づくことができました。海外の方とコミュニケーションをとっていると、容姿のことなど誰も触れてこないし、ちゃんと「ひとりの人間」として扱われている感覚を得られて。そこから少しずつ自信を取り戻していった感じです。
今でも街に出ると、私を見てすれ違いざまに「見て、あのデブ」と笑ってくる人たちもいます。でも、そんな悪口を言われても、ちゃんと自分を認めてくれる場所があると分かっているので、今は全然気になりません。
——TikTokなどの動画でも、心ないアンチコメントに対してハッキリ言い返していますね。
そういう言葉に傷ついてきた人が、私の動画を見て元気になってくれたらいいなと思っています。「毎日夫から容姿についてからかわれていたけど、気にならなくなりました」「(動画を見て勇気づけられて)DVするような彼氏と別れることができました」といったメッセージが届くと本当に嬉しいですね。
動画を配信していると「あなたひとりが言ったところで何も変わらない」と言われることがあります。でも、たとえば女性の地位なんかも、誰かひとりが声をあげたからこそ、変化が起きて今がある。「無理だよ」って言われても行動する最初のひとりがすごく大事だと思うから、私も発信を続けています。
——かっこいいですね。
正直、アンチコメントって減らないと思うんです。私がアンチコメントに対する動画を発信するのは、そういう発言をやめてほしいからではなく、同じような言葉に傷ついた人のため。「自分を大切に」することは、人生で一番大事なことだと思うので、心ない言葉で自己評価を下げるのではなく、そういう言葉を投げつけるほうがおかしいんだよって伝えたいんです。
——アンチコメントに傷つくことはありませんか?
多少はあるけど、右から左に受け流しています(笑)。私は本当に、好きなことだけをして生きているんです。好きなものを食べて、好きな時に寝て、好きな仕事をして、好きな人たちといる……。好きなことで自分の人生が埋め尽くされているから、悪口を向けられても平気なのかもしれません。
——りんさんにとって「かわいいを、解放せよ。」とはどういうことだと感じますか?
SNSを見ると、かわいい人っていっぱいいるじゃないですか。ただそれが全員「自分らしい」かというと、ちょっと違うかなと感じます。「これがかわいい」というフォーマットが大体決まっていて、それにきちんと収まっている人が「かわいい」って言われている印象です。
でも、「かわいい」って本来そういうものではないですよね。太っていても露出の多い服を着てもいいし、おばあちゃんがミニスカートを履いたっていい。世間体を無視しても、自分の思う「かわいい」を目指してほしいなと思います。
——でも、自分を出すのって難しいですよね。
昔観た海外ドラマで、今でもすごく心に残っているのが「ルックスは過大評価されすぎている」というセリフです。本当にその通りだなって。
私が憧れるディズニープリンセスたちは、ただ容姿が美しいだけではなく、悪に屈しない強さや、人を見かけや身分で判断しない優しさを持ち合わせています。みんなちゃんと「自分」を持っているんです。
私たちも、社会が決めた基準じゃなくて、「自分らしさ」をもっと大切にできたらいいですよね。そうしたら、他人の「自分らしさ」も認めることができるようになると思うし。
——ダンス動画で特に印象的な、揺れる長い髪はプリンセスを意識しているんでしょうか?
そうですね!プリンセスの中でも特に『リトル・マーメイド』のアリエルが大好きなのですが、彼女の水に揺れる髪の毛の感じが大好きで。一度、真っ赤に染めたことがあって、その時は鏡を見るたびに「アリエルみたい!」ってテンションが上がりました(笑)。でも、その分ケアがすごく大変だったので、今は少しお休みしています。またいつか、赤や紫にしたいなあ……。
——りんさんなら、マトメージュをどのように使いますか?
普段からいろいろな髪型をするので、たとえばアホ毛を抑えたり、ポニーテールをするときに前髪が落ちてくるのを抑えたりするのにぴったりだなと思いました。私は、ヘアワックスなどが手につくのが苦手なのですが、「まとめ髪スティック」は手が汚れないのですごくいいですね。
——現在はTikTokなどでの発信が中心ですが、今後はどういう活動をしていきたいですか?
実は、子どもの頃からの夢だった歌手を目指して頑張っています。何者でもなかった私が、歌手活動に踏み出せるのは、TikTokをやったおかげ。歌の実績も何もない私を信頼してもらえるのも、13万人のフォロワーの方々がついているからこそで。フォロワーさんには本当に感謝しています。
——勇気を出したくても出せないと悩んでいる人に向けてメッセージをお願いします。
当たり前ですが、人生って一度しかありません。どんなに長く生きても100年が限界です。その間に成し遂げられることはすごく限られているので、人にどう思われるかを気にして何もできないなんてもったいない。だから、自分が何がしたいのか、何が好きなのかに向き合って、どんなことも前向きに考えてほしいです。それが人生で一番大事な、「自分を大切にする」ってことだと思います。